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【雑記】 映画「きつねと私の12か月」を観にいってきました

冬休み明けの1月後半はちょっとシーズンを外しているような気もしますが、動物モノの映画が重なって公開されています。今度は「きつね」のお話。
タヌキは今でも里山や人里近くにもやってくるので、野性の姿を見たことがある人も少なくないのではないかと思いますが、キツネとなると、どうでしょうかね?

ウチも実家はかなり田舎の方なので、小さい頃は、サルが出た、イノシシが出た、タヌキが来るなどなどの話題には事欠きませんでした。野生のタヌキを見たことは何度かありますし、イタチを追いかけて遊んだり、捕まったイノシシを見せてもらいに遊びに行ったこともありますが、キツネとなるとちょっとありませんね。

意外に人里近いところにもやっては来るらしく、「野良犬かと思ったらどうもキツネだったらしい」という話は時々耳にしましたが、なにせタヌキなどと比べると警戒心が半端なく強いので、なかなかそれと判るような形で人目についたりはしなかったようです。

キツネというと、昔からなにか他の里山の動物とは違う神秘的な印象と逸話に常に包まれてきたのも、人にとって身近で遠い存在であったからなのでしょう。

本作、そうした里山のキツネに対するノスタルジーの要素もないでもありませんが、舞台は里山どころではないヨーロッパの山奥。とある秋の日、学校帰りの山道でキツネに接近遭遇した少女「リラ」。その瞬間から、キツネという存在に魅入られてしまった彼女は、明けても暮れても頭の中はキツネのことでいっぱい。子どもながらの一途な情熱から、キツネ探しに大暴走する毎日を過ごすように。
映画前半は、リラとキツネの距離はまだまだずっと遠く、山の中でのキツネの姿がドキュメンタリータッチで描かれています。動物ドキュメンタリーを得意とする監督だけあって、ヨーロッパの山野における野生のキツネの描写は圧巻です。他の動物との絡みもすばらしいものが多く、特にリンクスとの追跡・逃走のシーンはこの映画最高の見せ場のひとつでしょう。
一方、そんなキツネを追いかける毎日を過ごすリラの大暴走っぷりは、半端ない野生児レベル。映画ゆえの誇張もあるのでしょうが、全編通しての登場人物が基本的に「リラ」のみなので、この辺りは現実離れしすぎている印象が否めないところ。リラの引き起こした出来事のどれひとつでもバレようものなら、「キツネ禁止!(怒)」は免れないところかと思われますが、そうはならない不思議(笑)。

ともあれ、そんな常識外れで常軌を逸した行動の甲斐あってか、キツネとリラの距離も一緒に遊べるほどにまで次第に縮まっていきます。しかし、「友だち」関係を求めるリラのある日の行動により、物語はほろ苦い結末を迎えることに。

そうそう、この映画全編で捉えられているキツネの仕草一つ一つを見てちょっと驚いたのが、「キツネって、すごく猫っぽい」というところ。山中での単独行動主体の縄張り動物ということで、多少の行動の類似は当然なのかもしれませんが、それにしても仕草や表情まで猫好きなら思わず「似てる!」と思ってしまうようなところまであって、その辺りは新鮮な発見でした。後で調べて知ったのですが、キツネ(アカギツネ)というのは「猫のようなイヌ科」と形容されるのだそうで。瞳も猫のように縦長だし、なるほど納得です。

この作品、動物モノの中では佳作の部類に入るのではと思います。公開期間もそろそろ終盤のようですので、気になっている方はご覧になってみてはいかがでしょう。


ちなみに映画終了後に告知がありますが、人間に感染すると生死に関わるエキノコックス症の問題がありますので、野生のキツネとの触れあいは厳禁!です。

というわけで、一般の皆さんは残念ですが、観察は動物園で触れあいはぬいぐるみさんで我慢しませう^^。