まいとし このさむいじきになると、
とてつもなく たくさんの にんげんたちが、
ここに、おしよせてくる。
なんだか うまそうなものの においもたちこめるから、
あいつらも えさにつられることがあるのか、
そうおもったりもするが、
それにしては、すこし、へんなようすではある。
なかまは にんげんぎらいが、おおい。
だから、このじきは、
まわりにちりぢりになって、やりすごす。
おれはそうでもないのだが。
ちょっとせなかをかしてやれば、
たまには、ほかではありつけない、
うまいくいものを くれることだってある。
ほかのやつらは、
かおみしりいがいのにんげんには、
おそろしいやつらがいるのだというが。
このふゆは、いつもよりさむいようだ。
そして、はらがへる。
さむさとひもじさっていうのは、
ただがまんしてるだけだと、
ひどく やばいことになるんだ。
なにがいいたいかって?
おれはそのやばいことにならないためなら、
なんだってやるってことさ。
ああ、はやくあたたかいひが
もどってこないかなぁ…